スマートスピーカーとスマートディスプレイ

 「スマートスピーカーとか持ってる?迷ってるんだよね」という話題になったことあります?私はちょいちょいあります。今年のAmazonプライムデーで安くなっていることもあって何人かとお話しをしました。

 一方で、過去のプライムデーでEcho dotが激安になった時に「とりあえず買ってみたけどあまり使えなかった」という人も結構居るようです。こういう層の人も購入を迷っている人も、共通点は「何が違うのか・どう使うのかがピンとこない」ことが大きいみたいなので、私の使い方やおすすめをまとめて見ることにしました。主に私が使っている(いた) Google Home Mini, Google Nest Hub, Amazon Echo dot, Amazon Echo Showの比較になります。

 まずは各機種の特徴を購入の動機を交えながら順番に紹介していきます。長いの面倒くさい方は結論へどうぞ。

一台目 Amazon Echo dot(第3世代)

 各社スマートスピーカーが出そろい、冒頭のように私自身が迷っていたのが2019年半ば頃でした。この時点でガジェット好きを中心に導入済みという人も増えており、そろそろ購入しようかと思っていた矢先、サイバーマンデーのセールだったと記憶していますが、Echo dotがAmazonMusic付きで999円で販売されました。これに飛びつく形でスマートリモコンと一緒に購入、スマートホーム化を目指して我が家にやってきたのがスマートスピーカーデビューとなります。

 購入したはいいのですが、(当時の)Alexaは結構おバカなことも多く、呼びかけに完全無視を決め込んだかと思うと、全く関係ない会話やテレビの音に反応してしまうなど、快適に使えるとは言いがたい代物でした。一緒に購入したスマートリモコンはスマホアプリからも操作できるので、音声で操作することよりもスマホから使うことが大半となり、いつしかEcho dotは電源が入ったままリビングに放置されてしまうことになります。

二台目 Google Home Mini

 Echo dot購入のほぼ同時期、2019年11月22日にGoogleのスマートスピーカーの新モデル Nest mini が発売されました。発売の発表が10月16日だったようなので、前述サイバーマンデーの直前ですね。この影響で、旧モデルGoogle Home miniの未開封品が安く出ていたのでこちらも購入しました。日付を明確に覚えていませんが、Echo dot設置の数日後だったはずです。

 Home miniは自室に設置していました。当時は音楽のサブスクにも加入していなかったため、ニュースやスケジュールの確認くらいしか使い道はなかったのですが、Googleのサービスを多用していた(カレンダー等)ため親和性も高く、なにより音声入力の反応が非常によかったことでスマートスピーカーへの可能性を感じ始めていました。同時期なのにこの時の2台は全く違う印象だったのです。

~1年ほどの実使用~

 放置ぎみのEcho dotを尻目に、Home miniを設置した自室はスマート化を進めていました。スマートプラグやスマート電球を導入したほか、IFTTTを活用してPCやPCモニタのOn/Offも制御出来るようになり、さらに利用の頻度が上がっていきました。

 こうなった背景には、音声の反応精度の他にもう一つの要因がありました。GoogleHomeの「ルーティン」機能です。ルーティンとは、1回の呼び出しで複数の機能を実行してくれるものです。例えば、「おはよう」のルーティンに「照明ON→今日のニュース→今日のスケジュール→天気予報」といった具合に設定しておくと、おはようの呼びかけで必要な情報がまとめて聞けるというものです。Alexaにも同様の機能「定型アクション」がありますが、自室の機器のスマート化が進んだ結果、使う頻度に大きな差が生じてしまったのです。

 こうして1年ほど使ってきましたが、結局家電制御を音声で行うためだけのツールになりつつありました。

 転機となったのは新型コロナウイルスの流行でした。しばらく入院していた祖父祖母の様子を見たり、従兄弟の結婚出産後もなかなか会えない中で手軽なコミュニケーションツールとしてスマートディスプレイは使えないかと考えたのです。外出に問題の無い祖母にはスマートフォンを持たせていますが、電話・ショートメッセージ以外は使っておらずこれから覚えることに抵抗があるようで断念していました。こうなったら固定のネット回線を引くしか……そしてスマートディスプレイの設置……でも回線の維持費ほどのメリットが……という検討を長らくしてきた私の救世主が楽天モバイルだったのです。当時は1年無料だったし、固定回線より安いし。その後の新料金で通信量によっては0円にもなりそうだったしね。

三台目 Amazon Echo Show 8

 当初、家に余っていた FireタブレットのShowモードで仮運用をしていたのですが、WiFiの接続が時々切れてしまい、再起動などの操作をしないと安定しない感じでした。Echo Showを設置しても安定しなかったらという不安に対して、力技な妙案を思いつきました。――スマートプラグを「定型アクション」でOn/Offして強制的に再起動してやろう。結果的には大成功でした。もしかしたら再起動しなくても大丈夫なのかもしれませんが、今もこういった運用をしています。アップデート中にやってしまう事故がないことを祈ってます。

 祖父宅へのEcho Show設置はいろいろなプラスを生みました。まず私自身の、Alexaはおバカという印象が払拭されたことです。音声の反応もしっかりしてくれるし、サードパーティーを含め多種多様なスキルもある。なにより画面があることで視覚的なフィードバックがあるのは大きい、というのが一番の感想でした。

 もう一つは、祖父母の反応です。Alexaを話し相手として利用しはじめてくれたのです。「天気を教えて」に始まり、ニュースやスポーツの結果、レシピ等々、アレクサに聞くという流れが馴染んできていました。スマホのアプリに抵抗があった祖母も、話しかけるだけでなんでも答えてくれるという明快さは受け入れられたようです。

 Echo Showが生活に溶け込んできたタイミングでさらに興味深いことが起こりました。「アレクサが音楽をかけてくれた」と言うのです。Echo Showの中でも評価があまりよくない機能なのですが、呼びかけで実行できる機能の字幕が待受画面に表示されます。「アレクサ、音楽をかけてと言ってみて」という具合です。祖父はジャズが好きらしいのですが、スタンダードナンバーは無料版にも入っていたらしく、面白いテレビ番組がない時は聞いているのだと。祖母の聞くような歌謡曲は数が少ないようなのでAmazon Musicに加入してあげることにしました。まさか積極的に新しい機能を使い始めるとまで思っていなかったので、驚きました。独居老人の話し相手としてのAIアシスタントはすばらしい可能性ですよ、たぶん。

四台目 Google Nest Hub

 スマートディスプレイええやん、ってなっているタイミングでGoogle Nest Hubの第2世代の発売がアナウンスされました。タイミングが悪すぎる。いや良すぎたのか。買いましたよ、予約で。

 Nest Hub 第2世代のウリは「睡眠モニター」機能です。Soliレーダーとマイクと照度センサーを使って、動きから呼吸数を計ったりいびきの音から睡眠の品質を知ることができるというものです。当面は無料だけど、1年くらいで有料化するかもしれないらしいですが、こういう新しいのは気になりますよね。この機能の詳細は今後別途触れていこうと思います。

 前述睡眠モニターは悪くないのですが、正直な感想としては「Echo Showでもよかったかな」というものでした。では、何が違うのかというと、表示される情報です。それぞれ、Googleフォト・Amazonフォトに保存した写真をスライドショーする、いわゆるデジタルフォトフレーム機能と時計、天気予報が待受画面的存在になっています。ただ、Googleフォトは無制限の時からずっと使っていたため、写真だけでなくスクショからネットで拾ったネタ画像から、とにかく画像データならなんでもレベルで放り込まれていて、スライドショーされてもという状態になっていました。となると、時計と天気予報くらいしかないわけです。ここでEcho Showとの決定的な差が出てきます。

 実はEcho Showは設定したスキルのカードもスライドショーとして表示してくれます。ニュースのタイトルとアイキャッチ画像が流れてくるんですね。気になる記事があれば、「詳しく教えて」と呼びかけることで読み上げてくれたり、動画付きであれば再生してくれます。Nest Hubは呼びかけない限り追加の情報は表示しません。ニュースを見せてという呼びかけが必要です。この「ディスプレイからの発信」が賛否が分かれる部分でもあり、選ぶ上での重要なポイントだと感じています。


結論

 長くなりましたが、個人的な結論はこうです。

  • Alexa(Amazon Echo)はそんなにおバカじゃなくなってる
  • Nest Hub(Google Home)はあんまり自ら発信してこない

 ふと視線が向いた時に何らかの情報が入ってくる点を個人的にはプラスと捉えているため、スマートディスプレイとしては僅差でEcho Showに軍配を上げたいと思います。もちろん「画面をオフにして」と呼びかけると真っ暗にできます。その他の差としては、Echo Showは単体でビデオ通話ができます。Nest Hubはカメラ自体ついていません。プライバシー的な観点も含めての評価ポイントかと思います。Echo Showのデメリットは、Youtubeが視聴できないことでしょうか。音楽サブスクでYoutubeMusicを利用している人も注意が必要です。

 いずれにしても、スマートスピーカー・スマートディスプレイと一緒にスマートリモコンを購入されることをおすすめします。利用頻度が格段に上がります。家に帰ってきて両手に荷物を持っていても照明を付けられるだけでもとても快適ですよ。ちなみに位置情報の設定等をすれば、家に近づいた時点で自動点灯もできます。もう暗い部屋に帰宅することもありません。この時期だと同時にエアコンONでさらにさらに快適になります。

そして五台目

 余談ですが、今年のプライムデーで自分用のEcho Show 5(第一世代)を買いました。PCモニタの下に置きましたが、5インチのサイズ感とてもいいです。常に時刻やニュースが流れていて、Primeビデオも再生できるのでながら見作業が捗りそう。

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